これは単なる私の記録です。
ですからとばして下さいね。
忘れもしませんね、10月1日、私がこの病院に赴任した日です。75才くらいの女性が、首と腕を剃刀で切ってみえました。外来にみえたのは9時過ぎ、実際自殺未遂をされたのは前日の21時くらいといわれていたので、もう出血もとまり、傷の処置をするのみでした。
ひとり暮しだそうで、そのまま帰宅させると、また、自傷行為をやりかねないので、入院して頂きました。
その後傷も落ち着いて、なぜ自殺しようとされたのですか、と聞くと、みんなに迷惑をかけるから、最近インスリンの注射もきつくなってきたから。。ということでした、確かにカルテをみると、その1ヶ月前くらいから、徐々に湿疹が出来てるようで、自殺しようとした時は、指のところまで湿疹があり、インスリンをうつのは大変そうです。
皮膚科の先生に見てもらっていたのですが、なかなかよくなってなく、逆に悪化しているようです。
そこで、大学病院の皮膚科にお願いすることになりました。
結局薬による副作用だったようです。
スティーブンジョンソン症候群といって、もっとひどくなると死んでしまっていたかも知れないといわれました。
可能性のある薬をすべて中止することによって、湿疹は改善し、また、うちの病院に帰ってみえました。
そんな患者さんがいたんですが、その可能性のある薬のうち1社が、大学の先生から聞いたらしく、副作用の報告書を書いて欲しいと言われました。
うちの病院での経過を知りたいとのことでした。その薬はかなり前から飲んでいて、今回の副作用とは関係ないと思いますよ、とは伝えましたが、相乗効果もありえますし、ということで報告させてもらいました。
その原稿料として、昨日1万円頂いたんです。
その患者さんにあげようかなとも思うんですが、もう退院されちゃいました。
うーん、原稿を書いたという労働に対する報酬というのであれば、納得はできます。けど、患者さんの犠牲があっての1万円だしな、うーん、悩んでます。
とりあえず、奥さんに渡しました。
うーん、悩んでます。