先日、ある病院の院長とお話する機会がありました。

もともと小さい診療所からスタートされたらしいのですが、患者さんのニーズにこたえているうちに、夜間救急も始めざるを得なくなったし、デイケア特別養護老人ホーム事業も始めざるを得なくなった。。そこまでは、結構あるパターンなのですが、自宅ではなかなか見れないという家族のため、あるいは、高齢のため、自力では生活していけないという方のため、マンションを建設されました。

それもバリアフリーで、一階に集会場があったりします。
入居者の中で自治会長を決めて、自分たちで自治をしてもらう。

医療については、モニターやネットをつかって、オンラインで病院とつながっている。。

賃料は、介護保険なんかでなんとか間に合うくらいに抑える。。というものです。

ある意味、いかに生きていくか、いかに死んでいくか、ただ、病気に対して病院にきたときだけ、薬や会話をするような小手先だけのことではなく、死ぬときまで面倒をみましょう、、という施設です。

ほかにも、陶芸教室を別のところにつくっており、その陶器を使ってコーヒーをだす、一般向けの喫茶店があったり、ただ、入居させておくだけではなく、人生の楽しみも積極的に応援していこうという姿勢です。

将来的にわたしがしたいなあ、と思っていたことでした。

いかに生きていくか、いかに次の世代に伝えていくか、について実践されているなあ、と思いました。

その先生に「先生の夢とか、目標はなんですか?」とお尋ねしました。

「うーん、わからないね」

「ただ、自分に限界は作りたくないんだ、どこまでやれるかどうかわかんないけど、動けるうちはどんどんいこうと思ってるんだ。。」

正直、はっとしました。

今まで、外来にきた子供たちに、「将来何になるの?」ってよく聞いていたんですが、知らず知らずのうちに、何かになるところまで。。という限界を子供たちに植え付けていたのではないか。。
これからは、「将来どんなことがしたい?」と聞くようにしよう!と思っちゃいました。

とはいえ、子供にはそこまで考えが成長していないし、わたしが思うほど、気にもしてないはずなので、その子供の考えを聞いて、その子にあった聞き方、考え方の誘導をするようになりましけどね。。

それはともかく、自分についても、同じかな。。

人に将来の夢は?とは聞くけれど、自分の夢はなかなか具体的なものがなくて、すこし「これでいいのかな」と思った時期がありました。

具体的に、何年後にはこれだけの資産があって、こういう立場になって、こういうことを指導している。。なんていうのをもち、それに向かって、具体的に行動を積み重ねていくべきではないのか。。そうじゃないと、成功しないのではないのか。。と不安になったこともありました。

もちろん、自分の信念をもって世界中を駆け巡りたい、いろんなところのひとに自分の考えを聞いてほしいと思って、広い講堂で、そこに向かってスピーチする姿はよく想像するのですが、ほかにはなかなか浮かばないんです。

けど、その先生の話を聞いて、安心しました。

別に、自分に制限を設けなくてもいいんだって。。

この先どうなるのかわからないけれど、一瞬一瞬、目の前の出来事を大切にしながら生きていこうと思ってます。