病院で外来をしていると、いろんな患者さんがおいでになります。

先日、胃が痛い。。という患者さんがおいでになりました。

検査の結果、胃潰瘍でした。

治療としては、胃酸を抑える薬と、胃の粘膜を保護するお薬をだします。

胃酸を抑える薬には何種類かあり、さらに、同じ種類でも会社によって違います。

最終的に処方するのは、使い慣れたものということになります。

ところが、患者さんによっては、胃薬といえば、@@という風に決めておられたり、御自身の勉強されていたことをながながと教えて下さったりします。

最終的に、私と患者さんの目標が、薬をつかって胃の潰瘍を治す。。という一点にしぼられている時はいいし、薬と病気の知識が正しいときには、とても効率よく病気もなおるのですが、胃の潰瘍を治す。。という目標は一緒でも、薬でいくのか、食事療法でいくのか、手術をしなければならないのか。。その手段が私の考えと患者さんの考えが違う時は、すこし苦労します、とはいえ、これも目標が一緒なので、いつかは実を結びます。

このときに必要なのは、お互いの信頼関係ですね。

この医者のいうことなら、聞いてみようかな。。

この患者さんなら、こういう言い方をしても大丈夫だとか、選択肢を与えて、選んでもらっても大丈夫だ。。

という信頼関係があると、協調しながら答えを見つけることが出来ます。


やっかいなのは、目標がばらばらなとき。。

片方は潰瘍を治すという目標で話しているのに対して、もう片方は、自分の知識を医者に認めさせたいだけだったり、医者の困る顔がみたいだけだったり、辛いのを分かってほしいだけだったり、この場合は結構たいへんです。

この場合も、やっぱり信頼関係なんですけどね。

その患者さんが、何を期待してわたしの前に座っておられるのか。。

ただ、自分の辛さを分かってほしいだけなのか、自分の知識をいいたいだけなのか、医者としての知識を聞きたいと思っているのか。。何を考えておられるのか、それを聞き出すことが肝心です。

決して、わたしのいいたいこと、わたしのしたいことを一方的に押し付けるのではなく、患者さんのいいたいことを『まず、否定する』のではなく、『まず、認めて』共通の目標をかかげる、それに向かって、お互いに協力しながら、お互いの持ち味を活かしながら、解決法法を見つけていく。。

それができるようになるには、それができる人間、信頼される人間にならないといけないなあと実感しているこの頃です。