いろんな考え

私のお世話になっている病院には産婦人科の先生もいらっしゃいます。
その先生とときどきお話しすることがあります。

奥さんの症状にあわせていろんな相談をしていました。おかげで私も安心したし、奥さんにそう伝えると奥さんも安心していました。

つわりのことや、会陰切開のこと、また、お話ししますね。

今回は無痛分娩について書いてみます。

出産といえば痛いもの、生みの苦しみっていいますよね。これに耐えれるから、女性はすごいなんてこともいいます。

それに応えるように、無痛分娩というものがあります。
賛否両論だし、いろんな意見があると思います。
できれば痛い思いをしたくないというのが、女性の本音でもあるでしょう、うちの奥さんもそうでした。

その当時、かかっていた婦人科が無痛分娩をしているのか、していないのかも知りませんでした。病院の案内にも書いていありません。(無痛分娩するかしないかには関わらず、うちは無痛分娩ができます、相談に応じますっていう案内があれば、患者さん増えるでしょうね、もっともそれをしなくても患者さんはいるのかもしれませんけど。。)

そこで、その先生に無痛分娩について聞いてみました。

そもそも分娩時の痛みって主に子宮の収縮に伴うものですよね、もちろん頭がしたのほうにおりてくれば、会陰を広げてしまう痛みもあるでしょうけど、それどこではないらしいですね。


その子宮の収縮に伴う痛みを感じる神経を麻酔させればいいわけです。
簡単にいえば、子宮から痛みの神経はどういう走行をするかというと、子宮にクモの巣のようにはりめぐらされている細ーい神経は少しづつ集まって、一本の神経の束になり、背骨の隙間を通って、背骨によって守られているせき髄に合流します。(というか、そういう神経がたくさん集まったものがせき髄と考えてもいいかもしれません。

その神経の束が大脳にあがっていき、それぞれの場所に行きつきます。

つまり、子宮での刺激が、その神経という道を通って大脳に到達し、そこで痛みを感じる、というわけです。

痛みをとるために考えるのは、その道すじのどこかをブロックしてあげればいいんです。

大脳をブロックすると痛みを感じることはありません、ただ、子宮の痛みを感じる大脳の部分だけを麻痺させることはできませんから、大脳全体を麻痺させることになります。いわゆる全身麻酔ですね。

子宮に張り巡らされている神経を麻酔するのもひとつの考え方ですが、子宮全体を麻酔しなければ意味がありません。ので、非現実的。。

子宮の神経を効率的に麻酔させる方法はないかと考えると、せき髄にはいる手前、もしくは、入ったところを麻酔すればいいことになります。

その手段が硬膜外麻酔ということになります。

硬膜の外ってどこ?硬膜ってなに?ってことになりますが、またの機会にします。

いずれにしても、硬膜外麻酔で子宮あたりの痛みをとります。(子宮だけというわけにはいきません)

そして、子宮の収縮に任せて、赤ちゃんをおしだすんです。
痛くなさそうでしょ。

けど、大きな問題があります。
神経は痛みの神経だけじゃないんです。
子宮を収縮させる神経、正確にいうと運動を司る神経もあるんです。

この神経も麻酔してしまうことになってしまいます。
もちろん神経の太さがちがうので、麻酔薬の濃度を調整したりして、痛みの神経だけに効くように加減することは可能なんですが、個人差がありますし、多かれ少なかれ運動神経にも影響がでます。

その結果、微弱陣痛になってしまって、帝王切開せざるを得ないとか、中途半端にでてしまって、あかちゃんに危険が及ぶとか、いろんな問題があるようです。

なので、その先生は、無痛分娩をしない主義なんだそうです。

それに、痛い思いをして産むのも、意味があるんじゃないかともおっしゃってました。(男の先生ですから、痛さが分からないというのもありますけどね。。)

私も無痛分娩はどうなんだろう?って疑問に思ってましたから、心強い意見でした。
そう奥さんに話して、がんばろうねっていうことになりました。(、、の、はず。。)

いろんな考え方があると思いますし、こんなときは絶対無痛分娩の方がいいというケースもあるかもしれません。
本当に賛否両論だし、少なくとも痛みは苦痛なので、無いにこしたことはないですよね。だから、もっと安全に、みんなが受けれるような無痛分娩ができるといいのかもしれませんね。

さて、がんばれ、なっふん。心花も無事にでてきてねえ。お願いします。