肛門周囲膿瘍

おしりがいたいという若い患者さんがお見えになりました。
話を聞くと、約2ヶ月前に痛くなって、1ヶ月まえに別の病院を受診されたそうです。
切開されて、薬を渡されて、一時期痛みはよくなったけど、その後また痛くなってしまったとのことです。次に痛くなったら手術だ、といわれて、心配で来院されたようです。

見ると確かに肛門周囲膿瘍です。
治療法としては、切開排膿、抗生剤投与です。

何度も繰り替えしていると、痔瘻といってトンネルが出来てしまいます。そうすると将来的に癌になる可能性が出てくるので、手術をすることになります。

そもそもなぜできるのかというと、肛門のところには陰窩といって、窪んだところがあります。そこに宿便なんかがたまったり、硬い便で傷がついたりして、そこにバイ菌が入ることがあります。そして化膿してしまうんですね。

膿瘍をおこしてしまったら、排膿して、抗生剤を投与しますが、大事なのは次にならないようにすることです。
そのためには、肛門のところに、陰窩というのがあって、そこに便がたまったりするのが原因の一つということを知ってもらうようにしてます。
そしてお風呂に入った時に、ちゃーんと洗ってもらうんです。

本当にこの指導で、将来的に再発しにくいのかは、まだよく分かりません。ちゃんと私のなかで情報を管理させてもらったら、有効性が議論できるとは思うんですが、まだまだこれからです。

最先端の医療研究もおもしろいけど、こんな研究もおもしろそうだなあというのが実感です。

それにしても、前の先生、外来忙しいんでしょうね。
治療は正しいのに、理解してもらえないってちょっと寂しいですよね。