おばあちゃんとビーズ

今日の外来。

86才のおばあちゃんが外来でお見えになります。もともと自宅は農業をされていて、ピーマンつくりの名人だったそうです。今ではひざが痛いものだから、ピーマンつくりは難しい現状です。

昨日の話ではありませんが、「いつもは自宅で何をされているんですか?」とお聞きしたら、「ほとんど寝てますけどね」とのこと、そうか、じゃあ、仕方ない、洗濯物干しとか、たたみ物とか、裁縫とか、ぜひ、おばあちゃんにできる仕事を作ってあげてくださいね、と付き添いの方に言おうとしたのですが、ふと、おばあちゃんの胸元と指をみると、かわいらしいビーズ細工。。

そういえば、このおばあちゃん、入院中、ビーズつくりが趣味で、上手で看護婦さんなんかに配ってて、すごく喜ばれてたって思い出したんです。

そこで提案しました。

材料費とわずかばかりでも手間賃は払いますから、どんどんつくってください、それを私が買い取ります。

おばあちゃんのこの技術なら喜んでくれるひとはたくさんいますよ、もちろん、無理して作るようなことはしないでくださいね、根はつめず、出来るだけでいいです。

自分の技術を人の喜ぶためにつかえるといわれたおばあちゃんは、恥ずかしそうに顔を赤らめて「こんなんでよければ、どうぞどうぞ」といってくださいました。

私はビーズ作品にどれくらい価値があるのかはわかりません。けど、86歳の方がつくるビーズ作品って”ありがたい”ほんとうの意味で”有り難い”と思いませんか?

これを元手に私が儲けようとは思ってません。もし大事に、かつ、有り難いとおもって買ってくださる方には、私が送料を負担して送ってもいいくらいです。

現実的には、私が私のお小遣いでおばあちゃんに材料費と手間賃を払って、福祉施設、もしくは小学校にでも寄付しようかな、と思ってます。それも、ただ寄付するのではなく、ちゃんと、86歳のおばあちゃんのメッセージと私のメッセージを添えて、送ってみたいと思いました。

素敵だと思いません?

これを奥さんに言ったらすごく喜んでくれました。

もし、寄付して欲しいという方がおられたらコメントくださいね。とはいえ、十分な量になるには時間がかかるでしょうけどね。。

さて、寝ます。
明日の手術のイメージトレーニングもまたしなきゃ。。