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今日は、もともと何も予定がない日だったのですが、先日、急遽外来をしてくれないか、という電話があって、お困りなら。。ということで代診にいってまいりました。
土曜日の午前中なのに、結構外来の患者さんは多いです。
そのうちのお一人で、検診で尿に潜血があり、数ヶ月に一回検査を受けにきておられる方がありました。
今回も特に問題はなく、その結果をお話して、その後、全身の診察をさせていただきました。
胸部の診察をしようとすると、乳腺の手術のあとがあります。
何年前にされたのですか?と伺うと、17年前だそうです。
それならばもう再発の心配はないですね。乳房再建は考えておられないのですか?
と何気なくお尋ねしました。
そうすると、これまで、何度も何度も考えて、何度か、病院にも問い合わせをしたりしていたんですが、再入院をしないといけないこと、もうすぐ70歳になるので、なんか恥ずかしいこともあり、最近ではもうあきらめています。とのお返事でした。
医療技術は、特に美容形成なんかは年令で規定されるものではないし、人間が心身ともによりよく生きていくための補助的な手段なので、再建術を受けることで、人生が明るくなるのであれば、是非受けられるほうがいいのではないでしょうか。。とお話をしたら、いままでこんな話をしてもらったことはない、ずっと、胸に詰まっていたものがとれた様な気がします。といって、「握手をしてください」といわれました。
特別なことをいったり、機をてらっての言葉ではなかったのですが、本当に相手の事を思いやった言葉は、相手の心を揺さぶるものなんですね。
とはいえ、自分としては、そんなにたいしたことをしたつもりはなかったので、逆にそこまで感謝されて、かなり照れくさかったです。
以前の乳腺の手術は、大胸筋もごっそりとっていることが多かったので、結構美容上悩んでおられる方も多いのでしょうね。
誰にもいえず、一人悩んでおられるかたも多いと思います。
乳腺に限らず、病気のことで不必要に悩んでしまっている人が、少しでも少なくなることを心から祈っています。