大学の生きる道。。

こんばんわ。

今日はよその病院で当直しております。大学病院で勤めてはいるのですが、それだけではお給料が少ないので、こうやって他所の病院で当直をして、生活費を稼ぐことになります。

こうやって他所の病院で当直しているときの一番の心配は、大学で受け持っている患者さんが急変しないかということですが、大学は大学で、当直の先生がきちんとみてくださっています。

理想をいえば、大学から生活するのに十分なお給料を頂いて、ほかの病院にいかなくてもすむのがいいのですが、現実的にはそうもいかないようで、割とお金はあるけれど、時間がないという市中の病院と、人はたくさんいるけれど(時間がたくさんあるとはいえません)、お金がない大学とで、うまくバランスをとっているようなものです。

ただ、大学で働いている私たちのような勤務医からすると、土曜も日曜もなく、また、夜も昼もなく、ずっと働いているようなもので、つくづく、

「日本の医療は、医療者の過酷な労働条件で支えられているな。。」

と思ってしまいます。

そんな毎日ですが、時には仕事のなかにも、息抜きできるときがあります。

薬品会社が協賛して、@@研究会などとめいうって、勉強会が開かれます。

たいてい夜に開かれるのですが、その分野の第一線で活躍しておられる先生を招いて、講演をしてもらう。そのあとで、懇親会がひらかれる。。というものです。

その研究会が昨日宮崎のシェラトンホテルで行われ、参加してきました。

今回は膵癌の診療についての講演で、愛知がんセンターの山雄先生のお話で、膵癌はなかなか治療するのが難しい癌だけれども、いろんな方法を駆使して、出来るだけ早期(2cm以内)で見つけましょう。。手術で取れるものならとるとして、取れないものは、抗がん剤もいいものが出来ているので、あきらめずにがんばっていきましょう。。というものでした。

私のなかの、もっとも印象に残っている患者さんのお一人が、すい臓がんの患者さんで、(その方と出会えたことは私の中のかなり大きな転機となっているのではないかと思っているんですが。。)結局手術は不可能で、抗がん剤をいろいろ組み合わせて治療を続けさせてもらいました。

結局2年足らずしか持たなかったのですが、とても貴重な経験をさせていただいた患者さんです、そのかたのことを考えながら聞いていました。

同僚の先生には「よく2年もったね。。」といわれるのですが、やはり家族や、なにより本人にとっては、2年しか持たなかったんですよね。

生きた期間だけが重要ではなく、いかに生きたか。。ということのほうが重要で、この患者さんについては、もしかすると、納得してくださっているのかな、、なんて自分では思ったりもするのですが、とはいえ、やはり、できれば、肉親を失うという悲しみは与えたくないですよね。

先日、高校時代の恩師に久しぶりにお会いしました。


「激動の時代だけど、やっぱ、腕よ、腕。。」

といわれました。確かに、いかに口でうまく患者さんを納得させても、自分の技術や知識に自信がなければ、相手をだましているようで、自分の心が重くなります。

医師として、患者さんに向き合うと決めて、現場に立っている以上、まずは自分をごまかさないように、自分の腕をあげて行きたいと思っています。