あすより師走
こんばんわ。
御無沙汰しております。
あっという間に今日で霜月も終わり、明日から師走ですね。
霜月といわれる程、例年は寒さが厳しくなってくる11月なのに、今年はどういうわけかあったかかったですね。
なんだか、きみが悪いくらいです。
以前にも書きましたが、きっとまだまだ地球の自然環境は固定していないんでしょうね。というか、絶えず変化するものなんでしょうね。
この1週間は当直がなかったこともあり、一例も緊急手術をしませんでした。
先月の末から今月の上旬にかけては、あんまりにも忙しいものだから、「みんなでお祓いにいこう」と、神社に参拝したのが効を奏したのかもしれません。
緊急手術はなくとも、予定手術はちゃんと入っていたり、はたまた、術前、術後の患者さんは待っておられるわけで、気を抜けるわけではないのですが、夜には自宅にもどり、家族とご飯を食べたり、お風呂に入ったり出来るというのは、一番の気分転換になります。
一時期とはいえ、それさえも出来ない患者さんやその御家族に申し訳ないな。。とも思うのですが、同時に、はやく患者さん方にもこういう生活を取り戻してほしいと思いを新たにするわけなんです。
そうやって毎日過ごしていますが、今日こんなことがありました。
「来週は検査がたくさんでちょっと大変ですけど、頑張って下さいね」
手術前で検査の予定が入っている患者さんに声をかけました。
「はい、がんばります。先生のこと、信じてますから。一生懸命がんばります」
いつものように、すこし頬を赤らめ、目をきらきらさせながら、こっちをじっと見ていわれます。
「ありがとうございます。本当に信じていいかどうか分かりませんが、とにかく私も頑張りますから、どうぞ頑張って下さいね」
いつものように私も答えようかと思いましたが、ふと考えました。
人間として謙虚でありたい。。という思いから、いつも「本当に信じていいのか分かりませんけどね」であるとか、「何が正しいのか誰も分かりませんけどね」などと、前置きをしてから話をしていました。
しかし、よく考えると、頼ろうとしている相手に「信じていいかどうかわからない」とか「何が正しいかわからない」といわれてしまったら、本当に何を信じてよいのやら途方にくれてしまいますね。
もしかすると、医者として、そうやって前置きをすることで、どこかに逃げ道をつくろうとしていたのかもしれません。
もちろん、どの患者さんに対しても、「自分を信じてついてこい」的なカリスマ性を持たないといけない。。なんてことは考えてはいませんが、場合によってはそう言い切れる強さも持っていたいものです。
残念ながらまだまだそこまで言い切れる自信はありません。
「ありがとうございます。何が正しいのかはわかりません。ただ、私心や裏心なく、とにかく@@さんにとって最善であろうということだけを考えて、それに向かってやっていきたいと思います。ですから、きついかもしれませんが、がんばってくださいね」
そうお答えさせて頂きました。
医療者として、「患者さんの人生は患者さんが決める。患者さんの人生の主役は患者さん本人だ」という信念はありますが、と同時に、その精神的、技術的支えになれるような医療者であり、かつ、そんな人間でありたいと思います。