アトピーの女の子

外来でアトピーで長いことかかっている小学4年生の子がやってきた、自分が見るのは2回目なので、まだあんまりゆっくりはなすことが出来ない。
この前は割とゆっくり時間があったので、いつものように「将来何をしたいの?」って聞くけど、「何にもなりたくなーい」っ逃げられてしまった。
ここで負けるもんかって、「えー?でも、なにもしなくても大人になっちゃうよ。」っていうけど、「いやーん、何にもなりたくなーい、かゆーい」って、手強い。。。
それからもあの手、この手で本音を聞き出そうとしたけど、のらりくらりとやられてしまった。そのうち、次の患者さんがみえたので、ギブアップしてしまった。

なぜ、あんなにしつこかったんですか?って看護婦さんにいわれてしまいました。
実は、その女の子のアトピーって経過が長くて、カルテをみると精神的なものが大きいのかな、お母さんに対する甘え、誰かにかまってもらいたいっていうのがあるのかなあって感じだったんです。
だから、将来の目標をもたせて、それに向かって、自分で考えて、自分を少しでもコントロールしていければ、じつはこの子のアトピーは治るかも、治らないにしても薬は大分少なくできるかもって思ったんですよね。

もちろん、精神論だけで片付けては可哀想だし、実際痒いのは事実だろうけど、そういう考えもあってもいいかなって思うんですよね。

ま、あきらめずに次もトライしてみようと思ってます。