和のこころ。。

こんばんわ。

今日は、奥さんの外来受診日でした。

私達の家の前に、義母さんが住んでおられるので、義母さんに心花の面倒をお願いすることも可能なんですが、この時期、すでに花粉症にやられているらしく、かなりきつそうです。
それに、いまはまだわたしも時間に余裕があるので、いっしょに大学の外来に行くことにしています。

大学病院の駐車場にとめて、3人で並んで玄関に向かうのですが、これから検査をうける奥さんはともかく、わたしと心花はちょっとしたピクニック気分です。(ごめんよ、なっふん)

受付を済ませて、7階の耳鼻科外来につくと、先週、外来の先生が「次は予約がいっぱいだから待たせるかもしれない。。」と言っていた通り、患者さんでいっぱいでした。

3人でおとなしくイスに座って待っていると、いろんな人が心花に声をかけてきてくださいます。心花も自分のリュックに入れていたおかしを取り出して、前に座っていたおばちゃんに「どうぞ」って手を伸ばしたり、いつものように愛想がいいです。

それにしても、患者さんとして待つのは苦痛ですね。

いつ呼ばれるか分からないから、おちおち席もはずせないし、後どれくらいかかるのかも分かりません。

ときおり診察室から出てくる先生達が忙しそうに、また、難しそうな顔をしながら歩いているのをみると、大変だな。。とも思うのですが、逆に、少しは廊下で待っている人たちにねぎらいの言葉をかけるとか、待合室を通るときくらいは笑顔でいるとか、そういうちょっとした気遣いも必要ではないかとも思うのでした。

まあ、それはともかく、奥さんの具合はおかげさまでだいぶよくなりました。

もっとも心配していた聴神経腫瘍もないようで(というか、初診のとき以来、MRIを撮ろうか、、という話題さえ出ないようですが。。)、めまいもだいぶ落ち着いてきて、約2週間のんだステロイドも今日からは飲まなくていいことになりました。

これは何時になるかわからない。。

と思っていた外来も12時過ぎには終わり、昼食をみんなでとることにしました。

どこにしようか悩んだ結果、和食の「こだま」の、いわゆる「ランチ」を頂くことにしました。(ここで、やっと昼食の話題になるのです。。)

わたしは夜の営業時間にしかいったことがなかったのですが、ランチも経験している奥さんによると、けっこういけるらしく、期待していきました。

確かに人気のお店らしく、車がいっぱい止まっています。

少し離れた駐車場にとめ、暖簾をくぐり、「こんにちわ。。3人ですけど、大丈夫でしょうか?」と板場を1人できりもりされていた大将(名刺にはこう書いてあります)にたずねると、にこやかに

「どうぞ。。」

と、目の前の座敷を案内してくださいました。

座敷にあがり、一息つくと、店に入ったときには気付かなかった桃の花が板場に華をそえていました。
ほかにも、いたるところに春を感じさせる花が飾ってあります。

春だなあ。。という思いと、最近、再び池波正太郎さんの剣客商売を読んでいるのですが、ちょっとした小料理屋で、酒をのむ。。という場面に妙に影響され、それに、となりに座っていたおじさんが手元に瓶ビールをおいているのをみて、無性に飲みたくなりました。

昼間から。。というのを承知のうえで、「ランチを2つと瓶ビールをお願いします」と注文。

これが、「なにか春のつまみと旨い酒。。」なんて、頼めるようになると、一端の風流者といえるのかもしれませんが、まだまだ道は遠いですね。。

それはともかく、前菜はサラダだったのですが、季節の野菜をぐるぐる巻きにした、上品な味付けの一品でした。それに添えられている野菜が、おそらく大根をなにかしらで外側だけ染めたのでしょう、、淡いピンク色をした大根の桜の花びらが舞っていました。

ご飯もちょうどいい硬さでたけていて、こぶまきや卵焼き、あさりの酒蒸し、ほうれん草のおひたし、巻貝、イカの佃煮、大根と豚肉の味噌煮込み、そして茶碗蒸し。。どれもしつこい味付けはなく、また、それぞれに梅の花を添えてあったり、味だけでなく、目でも楽しませてくれました。

心花もおいしく食べてくれました。

1歳を過ぎて、活発に動きだすと、なかなかゆっくり食事をとることができませんが、こうやって座敷で、また、少々動き回っても、にこにこと笑って見守ってくれる大将がいるようなお店は本当に貴重な、ありがたいお店です。

おいしく頂いて「ゆったりとした時間を過ごすことができました。ありがとうございました。」

と伝えると、「こちらこそ、若い方にこうやって和食を食べていただけることがうれしいんです。」と答えてくださいました。

名刺を見ると、「忘れかけている和の心を、おもてなしの心で伝えたい。。」そう書いてありました。

本当にいいお店です。これからも宜しくお願いいたします。という感じです。