あと二週間。。なんのことかわからないですよね。。

いま、わたしは大学院生として、実験、研究をしています。

大学院生として、学生ではあるのですが、授業などはありません。昼間は自分の都合に合わせて実験をしています。

なので、なにごとも自分の都合で予定を立てる事ができていました。

それが、あと2週間なのです。

大学院は、基本的に4年で、この3月で3年目が終わる私としては、あと1年のこっているはずなのですが、医局の都合と、とりあえず、形になりそうなデータがでた。。ということで、4月から病棟に復帰して、患者さんを受け持つ事になりそうなのです。

こうなると、自分で勝手に自分の時間を作ることができません。

確かに、大学院の今の生活は、いわゆるベッドフリーで、とっても自由で、すごくすごしやすいです。大学を卒業して、医者をしながら、自分の時間とか、自分の幸せとかあまり考えることなく過ごしていたのが、この、ベッドフリーの機会を与えられて、本当に価値観がぐるっと、音をたてて変わった気がします。

わたしと同じように、3年前に大学院に入って、研究を続けている同僚の先生方は、学外にでて研究していた人を除いて6人。。
そのなかで、私だけがあと1年を残して、病棟復帰です。
決して、わたしだけが、研究が先に進んで先んじた。。というわけではないのです。逆に、他の先生たちのほうがデータは出ているくらい。。(汗)

それなのに、自分だけ病棟に復帰させるなんて、ひどい。。あと1年あるんだから。。と、医局のボスである、教授に駄々をこねる。。ということも考えないこともなかったのですが、これもきっと、起こるべくして起こっている出来事なんだろうな。。と考えたわけです。

たしかに、ベッドフリーのままいるほうが、楽ちんではあります。好きなときに実験して、好きなときに休めて、気ままに旅行もできて。。お金に関しても、アルバイトをたくさんしようと思えば、いくらでもお金は手に入って。。いわゆる、セミリタイアみたいな生活でした。

このまま、こういう生活もいいかな。。と思わないでもないのですが、なんか、それじゃつまらない。。これが、性も根も尽き果てた廃人だとか、なにごとか成し遂げた人物であるならいざ知らず、まだまだ人生始まったばかりの私です。もっと自分を、自分の魂を鍛えなきゃな。。なんて考えたわけです。

ということで、4月からは、覚悟をもって臨床に復帰しようと思っています。

といっても、なにも変わったことをするわけではありません。まめぞうさんも書き続けていきますし、心花も一生懸命育てていきます。奥さんも一生懸命愛していきます。両親も大切にしていきます。世の中みんなが幸せでいられるように、祈っていきます。

自分の人生が変わるわけではなく、ちょっと風が吹くだけです。

小さい枝は折れるかもしれませんが、その分、幹が倒れないように、しっかりと根を張らせるつもりです。

先日、日本刀をつくる工程を見る機会がありました。鉄も叩くことで、不純物がなくなっていくんですよね、そして硬くなる。なんどもなんども折り返しをしながら、叩いていく。今回の事も、折り返しになるのだと思います。折り返して、折れるような鉄ならそれまで。。ただ、折れてもあきらめずに、また、一からやり直す事になるとは思いますが。。

なにはともあれ、あと2週間。。患者さんと接する事ができる喜びと、生活が一変する不安。。いろんな葛藤の渦巻く2週間です。