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さて、病院に行こうと覚悟を決めたものの、どこに行けばいいんだろう。。
それに、病院に行くって、なにを持っていったらいいのかな。。
病院っていっても、小学校のころ、歯医者さんに行ったくらいだもんな。。そういえば、保険証をもっていったなあ、それに、当然お金も必要じゃん。。
このまえ本を買っちゃったけど、5千円くらい残ってたはずだし、足りるだろうな、、でも、病気って言えばお母さんに出してもらえるかな。。でもなあ、場所も場所だからなんか言いたくないなあ。。ああ、でも、保険証ってどこにあるんだろ。。結局言わなきゃいけないんだな。。
和夫に聞いてみるか。。
でもなあ、いくら和夫でも、お尻から汁が出るって、やっぱ、言いたくないなあ。。
そうこうしているうちに一週間が過ぎた。
こうやって悩んでるのは実は夢で、気がついたら何でもなかった。。ってことになるんじゃないか。。って思うけど、座るたびに、びりっとはしる鋭い痛みが「夢じゃないよ」って存在をアピールしてくる。
「イテっ!」
どの病院にいこうか、保険証はどうしようか、お金はどうしようか、、なんて、近頃は、そんなことばかり考えるようになった。いつものように、暗い気持ちで廊下を歩いていると、不意におしりに激痛が走り、おもわず、声が出た。
「ワリイ、ワリイ」
いつものように気軽にお尻をぽんとはたいた和夫がおどけて見せた。
「和夫か。。驚かすなよ」
「そんなびっくりするとは思わんかったからよ。。そんなに怒んなよ」
「それに最近おかしいぞ。昼休みも外に出てこんし、いつもの元気がないじゃん」
「。。。」
「かずお。。今日いっしょに帰ろうか。。」
黙ってても治らないし、夢でもないとあきらめた淑晶は、和夫に打ち明ける決心をした。