腹腔鏡下胆嚢摘出術。

こんにちわ。
昨日は更新できませんでした。

手術は2例目だったので、午後に手術室に入ることになるだろうと思っていたのですが、それまでずっとイメージトレーニングしておりました。もちろん、前日も。。

手術のことを考えながら眠りについたようなものでした。。

そんな状況だから、午前中の空いた時間に更新する気にもなれず、また、患者さんが手術室から呼ばれて、自分もさあ、行こう。。っていうときに、「これから手術してきます。。」なんていう軽いノリにもなれるはずもなく。。

結局1時間20分の手術でした。

腹腔鏡下胆嚢摘出術をご自身でされている方はよく分かるでしょうが、「かかりすぎじゃないの?」と言われるでしょう。。

たしかに、ある手技のところで、かなり時間をとられてしまいました。

そこの部分は、あとでビデオを見ながら、こういう風にすればよかったんだなあ。。と解決策が見つかったので、きっと次回はうまくいくだろうと思います。

それはともかく、自分が研修医だったころに比べて、なにか違います。

なんだか楽しいのです。

研修医ではなくても、まだ5,6年目だったころは、いくら自分が主治医で、執刀医と言っても、自分で手術を組み立てる事が出来ていなかったんでしょうね。
自分の手術をやるのではなく、教科書に載っている手術や指導医の先生の手術をいかに忠実に守るか。。どうやれば怒られずに手術を進めていけるか。。そんなことを考えているほうが多かったような気がします。

例えば、今回の腹腔鏡下胆嚢摘出術。。

ひとつは、術前の検査で気になる所見があったので、予定外ではあったけれど、出来るだけの情報を集めようと努力しました。(ありがとう、H先生)
以前なら、そこまで深く考えずに、とりあえず手術。。って思っていたかもしれません。

あとは術前のイメージトレーニング。。
うまくいったときの一連の流れをイメージする事はもちろん、いろんなバリエーションを考えられるようになりました。思いがけないところから血管が出ていたら。。周囲の癒着がひどかったら。。途中で胆汁がもれちゃったら。。明らかにリンパ節が腫れていたら。。間違って総胆管を傷つけてしまったら。。などなど。。

以前なら、そこまでたくさんのシュミレーションを出来ていなかったかもしれません。

手術。。
今回は、出来るだけ術前に検査をして、癌ではないだろう。。と予測していましたが、それでも、100%とはいえないので、万が一の時に備える。。という手術をしようと考えていました。

つまり、癌があったとき、一番初めに引っかかる、「センチネルリンパ節」というリンパ節を一緒に切除すること、また、胆嚢のしょう膜という外表の膜を通常はわりと余裕をもって切除するのですが、胆嚢の組織はできるだけ切除するという考えで、出来るだけしょう膜も一緒に切除する事にしました。

以前なら、そんな余裕は無く、ただ、無事に、胆嚢を破ることなく、胆石を落とさないように。。指導医の先生に怒られないように。。なんて思っていたかもしれません。

そんなこんなが積み重なって、「ああ、面白いな。。」なんて思えているのかもしれません。



。。とはいえ、「こんなに出来るようになった。。」なんていっている私なんですが、もっと出来る方から言わせれば、「なにを偉そうに。。」なんて思われるレベルである事は重々承知です。

そんな先生たちにも、「ほう。。」とうなってもらえるような手術をしたいな。。なんて思ったりもするのですが、急いで背伸びしたって始まらないし、まずは、目の前の患者さんに一生懸命、全力を尽くしたいな。。なんて思っています。