クリスマスのこと。。

クリスマスといえば、クリスマスプレゼント。。

しかし、その日は、朝はやく起きて大分のハーモニーランドに向かおうという気持ちばかりが先走って、まくらもとに靴下を置き忘れてしまい、サンタさんは姿を現してくれませんでした。

24日の夜は、大分から23時過ぎに帰ってきたものだから疲れ果てて、寝る前にやっぱり靴下を置き忘れて、そのまま寝入ってしまいました。

でも、その日の夜中、ふと目が覚めたのです。
そして、はっと気がつきました。

「あ、靴下を置いとくの忘れた。。」

そこで、それぞれのもっている靴下のうち、一番大きい靴下をたんすから引っぱりだしてそれぞれのまくらもとに置いて、再び眠りにつきました。

果たして25日の早朝。

その日は月曜日だったため、私はいつものように朝早く起きだして職場へ。。

その後数時間経って、目を覚ました心花の枕元にはなんと、アンパンマンのジャングルジムが置いてあったそうです。

最近、デパートなんかのプレイルームで滑り台に挑戦するようになった心花にぴったりの贈り物でした。

目を覚まし、そこにアンパンマンの顔の描かれた大きい箱を見つけた心花は、奥さんをして「写真にとっておきたかった」と言わしめる程目を真ん丸くしたそうです。

数日前に「サンタさんは、はあちゃんところにも来てくれるかなあ?」と奥さんに聞かれて、自信ありげに「うん」と答えていた心花は、「こぇえ?」と指をさし、その側から離れなかったようです。

それでも「パパに、“ちゃんとはあちゃんところにサンタさんが来てくれたよ”って報告しようね」と奥さんにいわれて、しっかり私が帰ってくるまで待ってくれていました。

しかし、そこからが大変です。

組み立て式のジャングルジムに対して、まずは、その場所を確保するために片づけをはじめ、掃除機をかけ、そして、一本一本パイプを組み立てないといけません。

サンタさんの好意に感謝しながらも、その煩雑さ、そして思い掛けない力仕事のために、終わったころには汗をたっぷりかいてしまいました。

とはいえ、別の場所で遊んでいた心花の完成したジムをみる輝いた目や、ブランコにのったり、滑り台を何度も何度も行ったり来たりしてくれる様子は万感の思いでした。

さて、そうこうしていると、

“トントン、トントン”

窓を叩く音がします。

「あれ?だれかな。。」

と奥さんがドアをあけると、真っ赤な服をきた、口ひげをたくわえた見知らぬおじさんが立っていました。

「あれ?サンタさんじゃない?」

奥さんの声に心花は思わず、あとずさり。。

「Hi! Iroha. Iユve lost my partner. Do you know my MAMEKAI?」

そういって、まわりをきょろきょろ。

「Oh! Iユve got you, MAMEKAI」

ソファーのうえで大きなあくびをしていたまめぞうさんを抱きかかえてしまいました。

「はあちゃん、サンタさん忘れ物したんだって。。はあちゃん、サンタさんにお礼いわなきゃ。。」

どうも。。

最近覚えたばかりの“ぺこり”という仕草をして、じっとサンタさんを見つめています。

「Have you loved this present?

Thatユs great, and itユs my big pleasure.

Please promise that youユll keep being a child with gentle, kind and smile in next year.」

黒い瞳のサンタさんは、なぜか汗をかきかき、たどたどしい口調で語りかけます。

それを一生懸命聞いている心花。

「はあちゃんが今年、お利口さんだったからプレゼント持ってきてくれたんだって。。来年もまた来るね。。って。。だから、来年もお利口さんでいれますか?ってサンタさん、聞いてるよ」

奥さんにそう言われて、うれしそうにうなずいていました。

去年のクリスマスにはサンタさんをみて大泣きしたのに、今年は、興味深そうに見つめる心花。
そして、サンタさんは“まめかい”を抱えて、夜の闇に紛れていきました。

心花は、この一年間で本当に成長してくれました。
大病もせず過ごしてくれて、そしてたくさんの笑顔を私達にプレゼントしてくれました。
ほんとうにありがとう。

また来年。サンタさん来てくれるといいね。


追伸
サンタさんが帰ってしまった後に分かったのですが、わたしにもプレゼントを置いていってくれていました。
おしゃれなバッグ。

ありがとう、サンタさん。